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▼今週の注目記事  納税3723号1面

コロナ・ウクライナで見直し必至
生命保険
高額納税の3パターン

 収束のめどが立たないコロナ禍に加え、ロシアによるウクライナへの侵攻が長期化の様相を呈している。深刻な景気後退も懸念されるなか、人生設計を考えるうえで生命保険の役割が見直されてきている。生保は契約者の死後の事態に備えるばかりではなく、いざというときの現金の確保や相続対策にも役に立つなど、利点は多い。だが、その取り扱いに失敗すれば支払わなくても良かったはずの高額な課税によって、家族の生涯プランに多大な影響を与えることにもなりかねない。不安定な情勢のいま、あらためて生保の契約状況を確認しておきたい。

多額の贈与税が発生

 生命保険は保険者、契約者、受取人をどう設定するかによって、生命保険にかかる税金は、その種類も課税額も変わってくる。契約形態によって高額の税金を納めることになりかねない3つのケースについて見ていく。

 1つ目は死亡した本人以外が保険料を負担している場合だ。妻の死後に子どもが死亡保険金1千万円を受け取る契約をしていたとする。保険の契約者である妻がきちんと自分で保険料を支払っていれば妻の相続で子どもは何も問題なく1千万円の死亡保険金を受け取ることができる。そして死亡保険金は法定相続人1人あたり500万円の非課税枠があるので、子どもは母親から死亡保険金1千万円を無税で受け取ることができるはずだ。

 だが保険の契約者である妻自身が保険料を支払っておらず、自分と夫が共有で管理している(と思っている)夫名義の預金口座から保険料を支払われていたらどうなるか。この場合、書類上の契約者は妻であっても、実質的な契約者は保険料を出している夫ということになる。その状態で妻の相続が発生すれば、契約者=夫、被保険者=妻、受取人=子どもとなり、亡くなった妻の相続財産ではなく、夫から子どもへの「贈与」とみなされる。

 そのため「相続」で受け取った保険金についての500万円の非課税枠は使えず、子どもは贈与税を納めることになるのだ。ちなみに保険金1千万円が贈与となると贈与税は税率30%で計算すると177万円となる。

 相続財産でなく贈与として扱われる死亡保険金は、「一時所得として所得税を払ったほうが一般的に税金は少なくて済む」(東京・大田区の税理士)という傾向にあるという。

 所得税は、受け取った保険金から、払ってきた保険料と50万円を控除して、残った額の半分が課税対象となる。被保険=妻、契約者で受取人=夫で、今まで夫が払い込んできた保険料が仮に300万円として計算すると課税対象額は325万円になる。ここに所得税がかかってくるのだが、「一時所得」というのは他の所得と合算するので、収入によって税率は5%から45%まで変動する。仮に20%であれば、受け取った保険金に対して納める所得税は65万円だ・・・

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